日本社会の弱点の顕在化について

　今回のコロナウイルス騒動は、日本国内の、様々な問題点を明らかにしていると思います。例えば、行政面で言えば、感染症という重要な安全保障に対応できるリソースが無いという事、あメリカのCDCのような専門家集団を持つべきであるということだろうと思います。国会議員の能力不足、何が危機で、何を優先させなければならないかという事を判断出来ないような人達が国会議員をしていることが大きな問題点であろうと思います。危機の時には、全部賛成せよとは言わないまでも、危機を認識して、建設的な討議が出来る基盤が無いといけないと思います。マスゴミは言葉のとおりゴミで、人間の屑がなる職業ですので、改善を期待するには、泥棒に法律を作れと言っているくらいアホな事なので、今のままで、いいのかなと思います。出来れば、ネット等で、真っ当なメディアが出てきて、今のゴミを駆逐してもらいたいものです。私は、日本社会の弱点を、マスゴミだろうと思っております。

　ただ、そういったものでは無く、思っていたよりも遥かに日本社会が蝕まれていたんだなぁという事に気付かされました。一つは、思いやりの無い社会になってしまっていたという事。自分が観光したいので、旅行へ行く、仕事をしないといけないので、移動する。確かに、不要不急ではないものもあると思いますが、観光旅行なんて。自分が感染者で、違うところに感染を広げる、或いは感染地で感染し、帰って来て、家族や職場等で拡散するというリスクを自分が観光したいからという理由だけで実行してしまう人がいる社会になっていたという事です。また、自分の子供のために、仕事を２週間休めない社会、経済的な問題、社会的な責任もあった休めないというのであれば、仕方がないとは思います。しかし、休ませるために、会社なり社会なりが配慮出来ないというのは本当に大問題だと思います。ただ、それよりもっと残念なのは、子供の健康のために、経済的問題やら社会的な責任もあったとしても、休みたいという気持ちが見えないというのが、問題だろうなと思います。つまり、その延長線上において、児童虐待のように自分の子供にすら、愛情を持てない親が増加しているのかもしれないと思うのです。

　かつて、誰かが言っていたと思うのですが、親は子供に無償の愛を与えます。子供はそれを親に返すのではは無く自らの子供に返すのです。親は、それを望んでいるのです。という言葉が思い出されます。そうでは無くて、今の親は子供に無償の愛を与えなくなったように思います。であるならば、子供は自分の子供に無償の愛を捧げるでしょうか？そういった社会で、人間は幸せに生きてゆけるのでしょうか？

　今回の問題で、中国人と韓国人の観光客がいなくなったという事で、いわゆるインバウンド産業の人達が苦境に陥っています。観光バスの運転手が大量に解雇されたとか、ホテルが倒産したとか。つまり、薄利で綱渡りの商売をしていたのでしょうね。そりゃあ潰れます。企業としての原則として、応分の利益を得て、社会に貢献し、存続するというものがあります。つまり、応分の利益を得れないくらい薄利で、何かあれば、存続が危ぶまれるくらいの経営基盤しか有していなかったという事であり、そもそも、商売のやり方自体に問題があるのではないでしょうか？つまり、現時点でのインバウンド産業は砂上の楼閣であったという事なのだろうと思います。

　感染症に関しては、常に人類は細菌・ウイルスと戦い続けて来ました、日本には地震のような自然災害も多く発生します。それを加味して、経営の安定性を図ってゆかなければならないと思います。実は、大企業は内部留保を積み上げております。積み上げすぎる程、そして、それが余ったもので、外国の企業を買収して、時に失敗して、資金を失っております。彼らのそういった異常行動が、中小企業を痛めつけ、その結果、景気が一向に上向かないという事になります。大企業の利益を下に回せれば、中小企業が薄利の綱渡り経営を続けなくて良くなる訳です。

　日本は、中小企業が大企業に成長するということで、産業の活性化が行われて来たと思います。大企業はだいたい寿命があって、つまり、制度疲労が発生して、成長が止まるわけです。そして、新しい制度・システムを有する企業がそれを飲み込むくらいに成長するというのが、日本のビジネスモデルだったと思うのです。アメリカでは、もっと小さい個人から成長を開始しますが、日本はそこまで個人に能力が無いので、中小企業くらいからでしょう。しかし、今の日本は、それが出来なくなっております。それは、大企業が中小企業の利益を搾取しているから、中小企業が成長する種を有せないという事なのだろうと思います。２週間も休めない、観光客が１ヶ月止まれば、企業が倒産するので、従業員を解雇しなければならない。こういった社会は、結構異常ではないでしょうか？今回のコロナ問題で、本当に実感出来たと思います。

　本来であれば、ここから、新しい日本を作ってゆける良い契機になったのかもしれません。これだけ、社会の問題点が顕になったのですから。