hikarimetal’s blog

基本的に自分のためだけにメモとして書いております。

今後、コロナ関係の疫学系の論文が一杯出てくるのでしょうね。

 今は、世界中でコロナなんですが、これって本当に凄い事で、いわゆるウイルス感染症の疫学Dataが世界中にあるという意味でもあります。ウイルスによるパンデミックと言えば、やはりインフルエンザが中心で、スペイン風邪(1918年~)、アジアかぜ(1957年~)、香港かぜ(1968年~)以来の大規模なものであり、検査精度の高さ、Data精度の高さから言えば、過去とは比較にならないくらいのDataが、それこそ世界中にあるという事になります。これは、疫学研究者にとっては、宝石がそこらここらに転がっている状態でもあろうと思いますので、というか、本来自分達で、お金を工面して調査するようなDataが、無料でそれも、世界中に、DataBase化されて転がっている訳ですので、ある意味夢の世界でもあろうかと思ったりしてるのではないでしょうか?これから、疫学関係の論文が世界中で、山程出てくるのではないかと予想しております。そして、感染防御学も、もの凄く進化してゆくのではないかと思います。ジョン・ホプキンス大学は、それも意識して、世界中のDataを集めているはずですから、あそこから、今後、ノーベル医学生理学賞が結構出るのではないかなと想像します。サマライズしたDataは公開されると思いますが、詳細Dataは宝物にして金庫に仕舞って厳重に鍵をかけてしまって置くのではないかなと思います。(勿論、冗談です)

 従来より、パンデミックとして想定されていたのは、高病原性インフルエンザ(H5N1亜型)でした。しかし、2009年に発生したのは、H1N1亜型でした。そもその、H1N1と言えば俗に言うソ連型ですので、WHOがパンデミック指定をしたのは、ちょっと過剰反応であったと思います。その失敗には伏線がありまして、インフルエンザ研究の世界では、信仰みたいなものがあって、アジアかぜ>香港かぜ>ソ連かぜというように、10年毎に大きな変異が発生していたので、次が来るのではないかと想定されていたという土壌があって、H5N1が必ずやって来ると警戒して来たのですが、実際はH1N1だったのですが、過剰反応をしてしまったということだと思います。

 今回のコロナは全く想定外だったと思います。だから、WHOも初期に認識をミスったという事ではないでしょうか?これがH5N1亜型だったら、早急にパンデミック宣言をして世界の動きを完全に止めるような勧告をしたと思います。コロナ自体は、大規模なパンデミックを引き起こすという想定はなくて、中国の一部地域でのエピデミックくらいで終わるであろうと想定していたのではないかと思います。ですから、トンチンカンで、マスクは不要とか、国家間の交流は制限しなくて良いとかなんて、今では信じられないような勧告をしていました。これは、中国への配慮もあったと思いますが、実際は、かなり楽観的に考えていたのではないかと思います。コロナとしてSARSやMERSをイメージしていたはずですから。

 ただ、ウイルスがどういった形で、そして、どういった変異で、どう感染が拡大していったかも、かなり正確にDataとして存在しておりますので、今後の感染防御政策は、物凄いスピードで強化されてゆくであろうと思われます。アジアかぜは、不思議なインフルエンザウイルスで、H2N2は、その後消滅してしまいました。香港かぜH3N2とソ連かぜH1N1は未だにあるのですが。もし、H2N2が復活したとすれば、間違いなく、感染スピードはコロナよりも早いはずですし、パンデミックになり、70歳以下の人は抗体を持っていないので、多くの死者を出すかもしれません。H5N1は、致死率が高いので、逆に、パンデミックにならないかもしれません。

 このところの、コロナウイルスの収束状況は、インフルエンザの収束に似ているような気がします。だらだらと感染が高止まりするというものではなく、インフルのように一挙に下降してしまうという性質を持っているのではないかと。今後の収束状況も、Dataとして蓄積されていくのではないかと思っております。インフルエンザは、少なくともA型は、12月くらいから爆発的に拡大し、3月くらいには、急速に収束します。これは、多くの人がワクチン接種して、或いは不顕性感染も含んで感染して多くの人が抗体を保有するからと言われていますが、その疫学Dataはあまり無いのではないかと思います。ワクチン接種が4千万人として、感染者が1千万人として、残り7千万人が不顕性感染したとは思えませんので。抗体というよりは、季節要因があるのかもしれません。そこは、コロナでは、PCR検査で、しっかりと不顕性感染者まで測定しているので、収束要因が見えて来るというか、抗体の壁神話(70%の人が抗体保有すれば感染防御出来るというもの)の真偽がわかるかもしません。おそらく、ジョン・ホプキンス大学から論文が出てくるのではないでしょうか?