自殺について。

　人権を主張する人達は、自殺という自らの命を奪う権利も、当然として認めるのでしょうか？少なくとも、心中は殺人行為ですが、自殺は犯罪ではありません。もっと言えば、キリスト教的な倫理感であって、神に与えられし生命を、自らの判断で止めてはいけないという、宗教的な倫理観であったのではないでしょうか？日本においては、命に関する概念が少しキリスト教史観とは異なるようにも思います。武士による切腹は、勿論自殺と言う行為に近いものがあるように思います。例えば、乃木希典大将の殉死は、間違いなく自殺である訳でして、奥様も道ずれにしたおいう意味においては、心中でもあろうかと思いますが、この事に批判的な印象を日本人は持たないように思います。

　最近、三浦春馬さん以降多くの芸能人の方が自殺されているように思います。悲しい事だと思います。しかし、自殺をするという事も、個人の権利の行使であるとすれば。それはそれで、認められている事なのでしょうか？昨日も、赤い公演の津野さんでしたか、自殺されたとの報道がありました。本人の苦悩は、全くわかりません。そして、彼女は死を選ぶ権利を持っている訳で、それを行使したという事なのだろうと思いますが、何やら割り切れないものがあります。自殺って、周りの人達にとっては、本当に悲しい事なのだろうと思うからです。

　権利の行使は認められております。しかし、権利を行使する事によって、周りの人が負うであろう傷については、誰も語らないのではないかと思います。これを、周りに対する義務として考えるのであれば、権利というものと義務というものは、同じ大きさを持っているべきなのではないかと思います。ご冥福をお祈りしますと言う言葉は、心の底からのものですし、亡くなられた方を誹謗中傷するものではありません。ただ、今、生きていて、自殺を考えている人達には、自分が生きる事によって、周りに対して出来ている事をそしてそれを更により深く、より広くする事も自分が生きている意味であるという事も理解して欲しいなぁと思います。