hikarimetal’s blog

基本的に自分のためだけにメモとして書いております。

T細胞を無効化するとの事。これってむっちゃ怖いんじゃないでしょうか?

 上海の復旦大学ル・ル氏とニューヨーク血液センターのチャン・シボ氏の研究者チームによって、新型コロナウイルスが人の免疫細胞を殺すことを発見との事。T細胞を無効化するとの事です。人間の免疫機能は複雑ですが、T細胞(細胞性免疫)と抗体(液性免疫)によって人は特異的に守られている訳です。

 今回のコロナに関しては、抗体が無い訳なので、T細胞が主力になるはずです。しかし、それを破壊しながら感染拡大をしてゆくという事は、人間は丸腰で、ピストル持った相手に戦うようなものなのだという事なのだと思います。

 確かに、イタリア、スペイン、フランス、アメリカと苦も無く、人が、ウイルスに蹂躙されてゆく様は、異様でした。人間には、特異的に出来る免疫機能が有る訳で、何故こんなに爆発的に感染すし、死んでゆくのかと。この研究が本当であるならば、死んだ方が不幸なのではなく、生きている方が幸運であるという事なのだろうという事です。

 それで、日本人やBCGワクチン接種者が少しだけ、このウイルスに強いという理由も何となく想像出来ます。BCGによりIL1,IL6が産生拡大し、マクロファージを活性化すると言われておりますので、つまり、特異的な免疫機能(獲得免疫)ではなく、自然免疫側で、何とか食い止めているという事なのだろうという事です。自然免疫では当然限界があります。高濃度における感染をすれば、無力ですし、自然免疫機能が落ちている人、老人や基礎疾患のある方には結構きついと言うことになります。しかし、健康な方はそこをクリアしておれば(つまり、ウイルスが濃厚に有る状態でなければ)、かからないで済むという理屈がわかります。しかし、BCG接種国ではない、イタリア等では、その環境でなくても、少量のウイルスに被爆しても感染するという可能性があるということなのだろうと思います。それゆえ、感染爆発してゆくということです。

 この論文が確かなものであれば、出来たとしてもワクチンの精度はかなり低いものになるのではないかと思います。もしかしたら、効かないかもしれません。抗体産生能力だけでは、完全に防御するのは難しいのではないかと思います。ウイルスの特徴は、細胞への感染です。抗体つまり液性免疫(血中免疫)と、細胞性免疫が共存している状態であれば、感染能力は高いのですが。インフルエンザワクチンがあまり効かないというのは、ここにあると言われています。それは、インフルワクチンは皮下注射したものですから血中の免疫は上昇するのですが、細胞性免疫は増えないと言われており、そのために、感染防御は出来ないが、重症化を防ぐという機能は有していると言われております。

 とすれば、感染防御においては、モノクローナル抗体しか無いのかもしれませんが、それは、当然無理です。生産量の問題も、お金の問題もあるだろうと思います。例えば、あのオプジーボのように、がんが細胞に侵入してくる系を止める阻害因子 PD-1とかPD-L1とかに相当するものを発見して、それを大量に人体に投入すれば、防御が可能になるでしょうが。1人に1億円とか言われてますからね。多くの人に対しく必要となる感染症ではとても無理でしょうね。

 つまり、癌に対するワクチンが出来ないように、細胞性免疫を増強するワクチンを作るのは非常に難しいということだろうと思います。ある意味、液性免疫を作るのは、わりと簡単な部分もあるのですが。つまり、この感染症に関してはワクチンが出来ないということになるのではないかと。お金持ちには、モノクローナル抗体を作る商売をした方が儲かるかもしれません。

 だんだん怖くなって来ました。これは、相当な感染症であると。当初HIVのような症状が有ると言われておりましたが、まさにHIVと同じような(メカニズムは違うようですが)T細胞を破壊し免疫機能を破壊し、感染を拡大する。HIVは血液感染ですが、このコロナウイルスは、飛沫、接触感染をするエイズなんです。そして、再発するという事も何となくわかります。一旦、ウイルス量が少量になったとしても、マクロファージ等の自然免疫で(効率は悪いんですが)食ってしまわないかぎり、もしかして、馴化して、体内で共存し続ける事も可能性があると思います。ヘルペスウイルスのように。そして、体力が落ちて来た時に、再発する。

 このウイルスは、ウイルス史上最強なのではないでしょうか?人類にとって。最終的には、70%の方が感染し、抗体の壁が出来るまでは、集団感染は起こるであろうし、そうなったとしても、個別の感染は継続し続けつだろうと想像出来ます。まさに、感染性の強いエイズですね。