WHO(笑)、国連(笑)といった現状について
国連という組織自体が機能していないのは、アメリカの力が低下しているからなのだろうと思います。国連は、旧国際連盟の失敗を糧として、安全保障理事会において5大国に拒否権という特別な権限を与える事で、秩序維持を5大国に任せたという事が建前ですが、実際は、第二次世界大戦の戦勝国による価値観における世界秩序維持というのが目的であったのだろうと思うのです。当時の自由主義社会と共産主義社会の微妙な対立関係を維持というか保持というか認めるというか、そういったものであったのだろうと。
しかし、段々と当時の価値観は壊れてゆきます、中華民国に代わり中華人民共和国が5大国の地位を奪取、ソ連という超巨大国の崩壊、イギリスとフランスという5大国の相対的な地位低下というものがあります。そして、最も重大な要因は、アメリカの弱体化という事になるのではないかと思うのです。設立当時であれば、経済力とか軍事力とかを総合し、国力という架空後からを想定したとすれば、アメリカ100,ソ連20,イギリス、フランス10、中華民国1くらいで、残りの4カ国を足しても、アメリカの力に及ばなかったであろうと想像しております。勿論、軍事力では、アメリカとソ連はかなり接近したものがあったかもしれませんが。
じゃあ、今はと言えば、アメリカ100とすれば、中国が80、ロシアが15,イギリスとフランスは10といったところではないでしょうか?つまり、中国がかなりアメリカに近づいているという状況なのではないかと思っております。本来であれば、5大国というものがあるのならば、アメリカ100、中国80、EU50、日本30、イスラム関連国連合20という方が現状に近いのではないかと思うのです。ロシアやイギリス、フランス単独ではもうそれ程の力は無いと言うのが自然ではあります。
アメリカの力の相対的な低下により、アメリカ的な価値観が崩壊しているという事も理解出来るのではないかと思っております。自由主義、民主主義、正義と邪悪という単純な分類方法であります。最も害悪は、一方を正義として一方を邪悪として、完全に否定するような単純な思想がアメリカ的な価値観であったと思います。その思想により、邪悪と判定された場合は、徹底的に排除されるという事になりました。それは、日本とか、ドイツとかと戦い勝利して、当時の思考回路であったのだろうと思うのです。それはかなり変なものなのですが、アメリカがガリバー型に国連を支配していた時代は、それなりの秩序を維持していたのだろうと思うのです。しかし、そういった単純なアルゴリズムで物事を解決出来るような力がアメリカに無くなった事により、全く何も解決出来ないようになったという訳なのでしょう。
WHOも、今回の件で中国に支配されているように見えます。ICAOも事務局長が中国人ですので、台湾排除を明確にしております。つまり、国連機関における5大国優遇は、かつてアメリカが行って来た事でもあった訳です。それを中国が中国の価値観において行っているだけなのだろうと思うのです。日本ではマスコミやら野党が国連人権員会の勧告を非常に重要視しますが、この委員会は中国の人権問題に関しては口をつぐんでおります。日本の方が中国よりも人権問題が深刻なのでしょうか?(笑)
国連という組織が今後機能するとすれば、中国の力が強大になり、かつてのアメリカのようにその価値観で、世界支配が出来るかどうかであろうと思うのです。私は、独裁が民主主義より効率的であると考えております。現代の民主主義つまり、個人の権利主張のみを制御できないシステムでは統治できないだろうと思うのです。誰かが何かを犠牲にしなければ国という個の集まりは維持出来ないであろうと。その場合は、どうしても独裁になるという事であろうと思っております。勿論、効率的で有効的であるのは、良い独裁者による独裁ではありますが。何をもって良いとするのかについては問題があり、難しくて解決策は無いのですが。
国連は機能しておりません。WHOなんてお笑いでしかありません。それでも、人はそれを信じて生きてゆくのです。つまり、権力を行使する人のためには、物言わぬ従順な人が必要という事です。それも又、世界秩序の維持に不可欠な事なのだろうとは思います。